2021.9.7
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薬剤師が副業をするとしたら?前編 ~薬剤師が選ぶ他の仕事~

初めまして。薬剤師の苺大福と申します。小学生の子どもが2人いるアラフォーのママ薬剤師です。私自身は新卒の頃は大病院の薬剤部に勤務。結婚・出産を経て、現在は転職して調剤薬局におります。

今回、「薬剤師の副業」について前編と後編に分けて解説していきます。

薬剤師も副業を始める人が増えています。その背景は令和のこの時代、「コロナ禍」「withコロナ」「コロナ時代」を私たち全てがサバイバルしているところにあると言えます。

リモートワークやオンラインが当然となり、対面業務はできる限り削除していく時代となりました。これだけ不透明且つ不安定な社会です。個人の生活が危ういだけでなく、企業も経営不振、倒産してしまう例もたくさんあります。企業におんぶに抱っこで雇って貰っていれば安定した人生を送れる時代は終焉を迎えました。

これからは個人レベルでサバイバルしていく時代です。

「薬剤師が副業をするとしたら?前編」では、薬剤師をしながら他にどのような副業を選ぶのかをリアルにまとめていきます。

薬剤師って副業するの?

「薬剤師が副業をするのか?」と言う質問ですが、結論から言いますと「ハイ!薬剤師も副業をします!」が回答です。確かに薬剤師でいれば、適切な給与が保障されます。しかし、令和コロナ時代で社会も混沌とし、なるべく自分自身に付加価値を付ける若者が増えてきたように思います。

薬剤師が副業をする背景には、収入よりも個人的なスキルを磨く意味が大きいようです。

薬剤師が副業をする必要性

「薬剤師は安泰で良いね」と言われることも多いかもしれません。確かに医療職は他の職業と比べると安定しています。コロナ時代でも病院や薬局が閉まることはまずありません。極端に言うと、病気がある限り私たち薬剤師の仕事が無くなってしまうことは無いのです。

しかし時代が進むにつれて、私たちの職業がどうなるかわかりません。そもそもこのコロナ時代も、誰が予測できたでしょうか。

今まで絶対に安定・安泰だったものが引っくり返ってしまう可能性もあるのです。「医療職イコール安泰」と資格の上にあぐらをかいていられたのは平成の時代までかもしれません。

薬剤師もただ副業をするだけでなく、せっかく副業をするのであれば今後の自分自身の人生に役立つような副業を選ぶと良いのではないでしょうか。

薬剤師が副業をするとしたら、何を選ぶ?

では実際、薬剤師が副業をするとしたら何を選ぶのでしょうか?

例を挙げて考えていきましょう。

  • ドラッグストアでアルバイト

ドラッグストアは調剤薬局や病院と違って、営業時間が長いことが特徴です。店舗によっては深夜も営業しているところもあり、営業時間が長いが故に慢性的な人手不足であることが考えられます。特に夜遅い時間だと人員の確保が大変な分、時給がかなり高い場合が多いです。

昼間は病院や調剤薬局で働き、夜はドラッグストアでアルバイト。体力に自信があるならば、選択としては十分アリです。

  • 派遣薬剤師としてあちこちの薬局を渡り歩く

薬剤師にも「派遣」という雇用形態があることをご存知でしょうか?正社員でもパートでもなく派遣社員として登録しておくことで、自分自身の活躍の場が広がります。

具体的には、薬剤師専門の派遣会社に登録します。そこで求人を探し、気に入った薬局があれば派遣会社を通じて応募します。

雇用期間は最短で半日からや1日からとなっており、勤務日程を自分で如何様にも決められることがメリットです。時給も単価が高く、都心部では時給3500円以上の求人も散見されます。

ただし、雇用主である薬局側は即戦力を求めています。派遣薬剤師として仕事に行って、基本的な調剤技術や服薬指導スキルが無いと、クレームの対象になりかねません。

時間的・経済的メリットが大きい分、継続した自己研鑽が必要不可欠です。

  • 夜勤薬剤師としてスキルアップしながら副収入を得る

都心部の大学病院など大病院の門前薬局は、一晩中営業している店舗もあります。

夜中の急患の処方箋が院外処方であった場合の対応をしているのです。

夜勤薬剤師として勤務に入る場合、基本的には一人薬剤師体制となります。つまり、調剤→監査→投薬を全て一人で行うのです。新人薬剤師にはあまりオススメしません。薬剤師の職務上、ミスは絶対に許されないからです。

ある程度の経験を積んだ薬剤師であれば、自身のスキルアップにもなります。

夜通し緊張感が続く業務であることから、夜勤薬剤師の待遇はかなり良い場合が多いです。

  • 薬の専門家だからこそ、治験に参加してみる

治験に参加したことはありますか?

この記事の読者は薬剤師が多いでしょうから、治験に関する詳細な説明はここでは割愛致します。簡単に復習すると、新しい薬を世に送り出す前にその薬の安全性や有効性を試験しなければなりません。その試験に参加することを「治験」と言います。治験に参加することは、新薬を世に送り出すお手伝いをすることです。その新薬で救われる方々がたくさんいらっしゃることを思うと、治験は世に貢献出来る尊い仕事であることがおわかりになるかと思います。

参加するにあたり、頻回にクリニックに通ったり、何泊か入院してモニタリングする必要があったりと、時間を拘束されることも考えられます。しかし、薬剤師として薬を使う側だけでなく、作る側に参画出来ることは貴重な経験であることは間違いありません。

治験の報酬も高額なものが多いです。

薬剤師が全く違う職種を副業に選ぶのもアリ

「薬剤師だから薬剤師として働かねばならない」と言う思い込みに雁字搦めになっている薬剤師をよく目にします。

確かに薬剤師免許を保有しているのであれば、薬剤師として勤務することがごく一般的であるかもしれません。しかし、何の資格を持っていたとしても働くのは自分自身。時には医薬品業界以外の世界に身を置いたとしても良いのではないでしょうか。全く違う世界は、自分自身を大きく成長させてくれるハズです。

筆者である私の周囲の薬剤師の副業例を3つ挙げさせて頂きます。読者の皆様のご参考になれば幸いです。

  • 実例その1

1人目・子育て中の40代ママ薬剤師の例。

子育て中の40代ママ薬剤師。昼間は調剤薬局にてパートをしていますが。掛け持ちで週3回ほど、早朝からパン屋さんでアルバイトをしています。

元々パン作りが趣味という彼女。パン教室に通いつつ、将来は自宅にてご自身のパン教室を開くことが目標とのこと。

彼女の副業は、夢に向けた修行と言ったところでしょうか。

  • 実例その2

2人目・肉体派マッチョな20代男性薬剤師の例

20代後半男性の薬剤師。普段は薬剤師として勤務しつつ、自身の休日を利用してスポーツインストラクターのアルバイトをしています。身体を動かすことが好きで、相手に教えることも上手だった彼は、これまた趣味が発展した副業を始めた結果となりました。

  • 実例その3

3人目・趣味に仕事にアクティブな60代女性薬剤師の例

60代後半女性薬剤師。ベテラン薬剤師としてまだまだ現役で薬局にて活躍中。仕事の傍らでヨガ講師の副業をしています。彼女のヨガ歴は何と20年以上とのこと!こちらも趣味がお仕事になった例です。

薬局がお休みの日に公民館の一室を借り、生徒さんを集めて彼女が講師として活動されていらっしゃいます。彼女のパワフルさには頭が下がります。

注意!副業してはいけない薬剤師もいます!

薬剤師の副業に関して紹介しました。ここで一点、注意がございます。

副業をしてはいけない薬剤師がいます。ご自身は大丈夫でしょうか?

例えば公務員として勤務している薬剤師、基本的に公務員は副業禁止です。また管理薬剤師も副業禁止です。

また、これだけ副業を後押しする社会とはなっているものの、企業によっては副業を禁止している場合も多々あるようです。ご自身の勤める企業の服務規程をいまいちど確認してみましょう。

服務規程違反となると最悪の場合、懲戒免職処分となってしまう場合もあります。

まとめ

今回は薬剤師の副業のリアルを執筆しました。薬剤師だからと言って、その職業に雁字搦めになる必要はなく、あくまでも個人の自由があることが伝われば幸いです。

また、副業をするならば収入面はもちろん大切ですが、その副業によってもたらされる個人の自己実現や自己肯定感が高まれば、尚良いでしょう。

次回の後編では、薬剤師が在宅ワークを副業にする場合はどのような仕事があるのか、また実際に在宅ワークをしている薬剤師の声をまとめていきます。

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