日本政府は、新型コロナワクチンワクチンにおいて、アメリカのファイザーとモデルナ、イギリスのアストラゼネカとの間で契約を交わしています。
このうち、2021年2月14日にファイザーのワクチンが有効性や安全性が確立されたとして国内で正式に承認されました。
今後の予防接種に際しては、薬剤師もチームの含まれており、薬剤管理やワクチン補填などの薬剤業務が想定されます。
今回は現役薬剤師と勤務する私が、コロナワクチンの集団接種に向けてなにができるのか考えました。
日本では、2021年2月17日にコロナワクチンの「コミナティ筋注」が医療従事者に対して先行接種されました。
ワクチンの円滑な接種のために、政府と自治体の強化も期待されています。
新型コロナウイルスワクチンはいくつかありますが、日本で2月17日に摂取が開始されたのはファイザー社のコミナティ筋注です。
コミナティ筋注の効能・効果は、「SARS-CoV-2による感染症の予防」です。
コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチンと呼ばれるもので、ワクチンのmRNAが体内でスパイクタンパク質を作ることで、免疫反応でコロナウイルスを攻撃する抗体を作るようになります。
厚生労働省は、2020年2月16日に「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(2.0版)」を発出しました。
これによると、医療機関以外での接種を行う場合、医療従事者として確保するのは、予診をする医師1名、接種をする医師または看護師1名、薬液補充や接種補助をする看護師または薬剤師1名を1チームとすることが記載されています。
しかし、私が働いている実際の現場では、まだ役割分担も明確になっておらず、スタッフも誰が参加するのかさえ決まっていないところが多いです。
集団接種場所についても、総合病院での接種ではなく、総合体育館を使用して行うなど、自治体ごとに対応がバラバラです。
私の働く地域でも、薬剤師の協力依頼について2021年3月3日時点で正式な依頼はありません。
私は薬剤師として今後、医療チームに参加し、少しでもコロナワクチンの普及に貢献したい反面、依頼自体があるのかどうかすらわからない不透明な状態が続いています。
コロナワクチンは、種類にもよりますが、冷凍されている場合は解答し、生理食塩水で希釈してから専用のシリンジに充填する必要があります。
私は、集団接種の際、ワクチンの希釈作業を通じて薬剤師が貢献できると考えています。
私が住む地域ではないのですが、他の地域の薬剤師会では、ワクチンの希釈方法の研修会などを実施しているところもあります。
しかし、現在研修を修了している薬剤師がまだまだ少ないのも事実です。
病院に勤務したことのある薬剤師ならば、バイアル瓶の扱いや希釈などに慣れている人もいるかもしれません。
しかし、薬局やドラックストアに勤務している薬剤師は、希釈や充填作業はほとんど行ったことがありません。
希釈した溶液をシリンジに充填する際にも空気が入ってしまったり、迅速な作業ができないことが予想できます。
コミナティ筋注の1バイアルからは、5〜6人分のワクチンがとれます。
集団接種で行う場合、5の倍数で人を集めるのか、6の倍数で人を集めるのか、自治体でもはっきりした答えはいまだ出ておらず、溶解や充填においても、薬剤師の間でも不安が出ています。
私も薬剤師としてコロナワクチンの集団接種に向けて、なにができるか考えるなかでさまざまな不安を感じています。
急に重大な役割を与えられたとしても、しっかり研修等を行い、取り扱いに慣れなければ、集団接種のチームの一員になれたとしても足を引っ張りかねません。
ファイザー社のワクチンは解凍方法にも注意があり、時間制限もあるため管理も注意しなければなりません。
保管方法や溶解作業においても、入念な管理が必要です。
私は薬剤師なので、医療行為はできません。
しかし、円滑に集団接種ができるようにワクチンの保管や希釈、充填を適正に行い、接種後の患者の様子を観察し、体調変化やアナフィラキシーの予兆はないかなど、フォローできる存在になりたいものです。