そうですね、最初に当院でコロナ患者を受け入れるとなったのは、2020年のゴールデンウィーク明けあたりでした。当初の段階では、コロナ患者の受け入れ病院ではなかったため、他の病院を見て「大変なんだろうなー。」と漠然に思っていましたが、実際に病床が足りないとのことで、当院でもコロナ患者の受け入れを開始するという流れでしたね。私個人としても、やはり受け入れに不安はありました。
コロナウイルスによる感染症拡大により、私たちの生活は大きく変化致しました。中でも医療の現場では、現在も緊迫した状況が続いており、リアルタイムで医療機関全体が感染対策や組織構築などを行っております。
テレビでは「夜勤帰りのタクシー乗車を拒否された。」「家族が身の狭くなる思いをしている。」などと報道され、医療職に対して世間の目が厳しくなったこともあるかと思います。
pharmastaでは、現場で働く薬剤師の方々のリアルな話を伺い、精神面・経済面・私生活の3つの観点から生活の変化について伺っていきます。
他の薬剤師の方々がどのような気持ちを抱きつつ仕事しているのか、他の医療機関の現状は一体どうなっているのかなど、参考にしていただけましたら幸いです。
今回の取材させて頂いた方は、大阪府にお住まいの男性薬剤師Aさんになります。臨床経験3年目で、現在は赤十字病院の薬剤部で勤務されています。
今回の記事はインタビュー形式で作成しておりますので、下記インタビューの様子をどうぞご覧ください。
そうですね、最初に当院でコロナ患者を受け入れるとなったのは、2020年のゴールデンウィーク明けあたりでした。当初の段階では、コロナ患者の受け入れ病院ではなかったため、他の病院を見て「大変なんだろうなー。」と漠然に思っていましたが、実際に病床が足りないとのことで、当院でもコロナ患者の受け入れを開始するという流れでしたね。私個人としても、やはり受け入れに不安はありました。
そうなんですね。周りの方々からも不安の声など多く聞かれましたでしょうか。
そうですね。周りも受け入れが決まった時はザワザワする部分があって、病院全体が落ち着かないような感じでした。感染についてもですし、病院体制についても騒がしかったと思います。
薬剤師が実際にコロナ患者と関わるとなると、具体的にどういった場面がありますでしょうか。
当初は吸入薬などがコロナウイルスに対して効果的と言われていた時期もありました。なので、そういった吸入指導であったり、入院された時の服薬指導で直接患者と関わります。ですが、薬剤師全員が直接関わるわけではなく、私の病院では感染症専門の薬剤師が対応しています。他の病院では一般の薬剤師も行うようですね。
そうだったんですね。直接患者と関わる場面になると、感染対策も細心を払う必要がありますもんね。感染症専門の薬剤師さんの対応でしたら、院内感染などより効果的に防いでいけますね。
はい。基本的なことにはなるんですが、マスク着用の徹底と、コロナ患者に関わる際はガウンや手袋、シールドも着用します。直接を関わらない薬剤師はマスクなどの基本的な感染対策を常に徹底している感じですね。
院内でのクラスター発生にならないよう、徹底ぶりがわかりますね。 先ほどコロナ患者の受け入れが始まって、病院体制で少し騒がしくなったとありましたが、具体的にどのような部分でしょうか。
そうですね。まずコロナ患者を受け入れるとなると、受け入れることのできるスペースを準備しないといけないと思います。そこで、まず初めに救急病棟やICUをスペースとして入れ替えていたんですが、結局が足りず、救護テントも活用しつつ病棟準備を行っていました。外にテントを立て初期対応をすることなどもあり、マンパワーが足りず、病棟からスタッフを要請するなどで騒がしかったですね。
新しく受け入れ体制を作るということも中々思うようには行かないですもんね。そういった中業務負担の変化はいかがでしたでしょうか。
目に見えて業務負担が多くなったというわけではなかったです。ただ、感染症専門の薬剤師の業務が増えたと思います。病院全体が忙しなくなったので、何かあった際はいつでも動ける体制を整えないとと、気をつけています。
病院全体で医療を支えている形、とても素敵ですね。ここで少し経済的な部分も伺えたらと思うのですが、給与や賞与などに変化はありましたでしょうか。
特に給与面の変化はなかったです。なんなら少し賞与が増えました。どうやら病院としての経営も昨年までの決算では問題なかったようですが、今年の経営はコロナウイルスの影響が出てくると、少し話題に上がっています。 危険手当はコロナ患者の対応をした薬剤師のみに手配されます。なので、一般的な薬剤師は通常通りという運びでしたね。
そうだったんですね。この期間は本当に医療機関にとっても大変な時期でしたもんね。
そういった中で、私生活では何か大きな変化はありましたでしょうか。
そうですね。まずは外出制限で人との付き合いがほぼ無くなりましたね。職場の飲み会はもちろん、休日に友達と遊ぶことも無くなり、1人の時間が増えましたね。 私個人としては、英会話に通っていた経緯もあり、英会話教室がオンライン授業に切り替わったことや、自己研鑽に使う時間が増えました。
この期間は本当に私たちの生活も変化しましたよね。そんな中でしたが、このような生活でもAさんにとって大切にしていることはありますでしょうか。
そうですね。私としてはコロナの期間もポジティブに捉えているんです。必要なこととあまり必要ではなかったことを自分の中で改めて見直すことができました。今後の自分についてゆっくりと考えることができ、今は新しい目標に向かって勉強を始めました。
とても良いですね。この期間は忙しいようで、自分を見つめ直す時間をゆっくりと取れるような、少し不思議な期間ですもんね。新しい目標や挑戦なども、この期間だからこそ見つけることができたということもありますよね。 最後になってしまいますが、現在も最前線で同じように働く薬剤師の方に何か応援のメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。
はい。そうですね。この時期はいつか終わりが来ると思うんです。この期間の先に良いイメージや何か目標を持っていれば、終わった時の楽しみが増えると思います。この期間は時間があると思うので、やりたいことを書き留めておいて、楽しみを持って準備しつつ、一緒に乗り越えて生活していきましょう。
ありがとうございます。ワクチン接種も始まりましたし、この時期ももう少しでしょうかね。 改めまして、今回は取材させていただきありがとうございました。
はい。こちらこそありがとうございました。
以上がインタビューの内容になります。いかがでしたでしょうか?
現場で働く薬剤師さんも、病院や薬局などで役割が違うかと思います。まずはあなたの健康を第一に考え、感染対策を徹底しつつ生活していきましょう。コロナウイルスの状況は永遠に続くわけではありません。いつか終息して元の生活に戻ります。
医療の最前線で活躍しているみなさんに本日も感謝を申し上げつつ、明日からも未来に向けて1つ1つ取り組んでいきましょう。
こんにちは、医療系ライターのけいたです。(Twitter:https://twitter.com/keita_lfu/ )普段はwebクリエイターとしてweb関連のあらゆることを担当し活動しております。また、hospassというメディアを制作しており、医療職の多様性についてもお届けしております。
本日はインタビューにご対応いただきありがとうございます。まず最初にお伺いしたいところが、コロナウイルス流行により精神的な変化について、お聞きさせて頂いてもよろしいでしょうか。