2021.8.24
将来の備え

投資信託とは?現役薬剤師が徹底解説

こんにちは。32歳現役調剤薬剤師のNです。

調剤薬局で管理薬剤師、1児の母親でもあります。

「将来、年金だけでは十分な生活ができないのではないか?」とお金の不安を抱えている薬剤師さんも多いのではないでしょうか?

私は、薬剤師で働く傍ら、投資しています。

お金や投資の勉強を始めて3年が経ちました。

何もわからないまま、母に勧められ、投資信託を購入した5年前。

その頃は、何もわからず、「普通に貯金しているよりは、いいかもなぁ~」という理由で、4種類の投資信託を一括購入。

もっと勉強してから買えば良かった…と後悔しています。

でも、投資信託は、初心者でも始めやすい投資方法の1つです。

人生で今日が1番若い日です。何歳からでも遅くありません。

お金の勉強を始めましょう。

今回は、「投資信託」についてお話しします。


✦目次✦

(1)投資信託(ファンド)とは…?

(2)投資信託のメリット

(3)投資信託のデメリット

(4)投資信託にかかる手数料

(5)投資信託の運用方法~インデックス型・アクティブ型・バランス型~

(6)薬剤師におすすめの投資信託運用法


(1)投資信託(ファンド)とは…?

投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめて、運用のプロ(ファンドマネージャー)が金融商品(株式、債券、不動産など)に投資・運用する商品のこと。

出た利益は、投資額に応じて投資家に還元されます。

「どのような金融商品に投資するか」は、投資信託毎の運用方針に基づいて、運用のプロが選んでいきます。

投資信託は金融商品の福袋みたいなものです。

例えば、服屋さんの福袋を想像して下さい。

・福袋A:色や柄の違うTシャツの詰め合わせ

・福袋B:Tシャツ、セーターが入っている

・福袋C:Tシャツ、セーター、カッターシャツが入っている

福袋=投資信託、Tシャツ=株式、セーター=債券、カッターシャツ=不動産です。

・投資信託A:色んな会社、色んな国の株式の組み合わせ

・投資信託B:色んな会社、色んな国の株式と債券の組み合わせ

・投資信託C:色んな会社、色んな国の株式と債券、不動産の組み合わせ

投資信託(福袋)を一つ購入するだけで、運用(ファッション)のプロが選んだ色んな種類の金融商品(服)をまとめて買うことができます。

(2)投資信託のメリット

投資信託のメリットを4つ紹介します。

①プロが運用してくれる

忙しい薬剤師の仕事に加えて、投資の勉強まで手が回らない…

という薬剤師さんでも安心です。

運用のプロであるファンドマネージャーが代わりに運用してくれるので、毎日、値動きを気にしなくてもOK。

働きながらでも手軽に投資できます。

②分散投資できるので、リスクが低減

分散投資とは、国を分散したり、金融商品を分散して投資することです。

分散投資することで、一つが値下がりしても他でカバーすることができるので、損するリスクを減らすことができます。

自分で株式を何種類も選んで買ったり、不動産を探して購入して、分散投資するのは大変ですが、投資信託は手軽に分散投資を叶えてくれます。

③少額から始められる

株式を購入しようと思うと、少なくとも20万円くらい、高い株だと何百万円もすることがあります。

さらに分散投資をするために、数種類の株式を買おうとすると、何百万円、何千万円も必要になってきます。

投資信託の最低投資額は、投資先の規定により異なりますが、安いものなら100円から投資可能です。

多くの商品は1万円くらいから購入できるので、貯金がなくてもすぐに始められます。

薬剤師さんは、初任給が他の業種と比べて高いので、まだ貯金のない若い薬剤師さんでも始めやすいです。

貯金代わりに、毎月1万円ずつ投資信託を買っていくことから始めてみてはいかがでしょうか?

(3)投資信託のデメリット

①手数料がかかる

投資信託はプロに運用をお任せするので、その分、手数料がかかります。

②元本割れの可能性がある

投資信託は貯金と違って、投資した金額より値下がりしてしまう可能性があります。

元本保証ではありません。

(4)知っておきたい手数料

①買うとき

投資信託を買う際に、購入のための手数料がかかります。

「販売手数料」と呼ばれます。

一般的に購入金額の1~3%程度取られる場合が多いです。

例えば、100万円分投資信託を購入、販売手数料が1%だった場合は、

1万円が手数料として差し引かれて、99万円から運用スタートとなります。

最近では、「ノーロードファンド」という購入時手数料が無料の投資信託もあります。

②運用しているとき

「信託報酬」と呼ばれ、投資信託を保有している間は、ずっと支払い続けます。

運用をプロにお任せするので、運用してもらうための手間賃のようなものです。

極力、手数料が安いものを選びましょう。

③売る(解約する)とき

投資信託を売る(解約する)際にも手数料が発生する場合があります。

「信託財産留保額」と呼ばれます。

解約時の投資信託の基準額(値段)の0.2~0.3%程度が手数料として解約代金から差し引かれることがあります。

(5)投資信託の運用方法~インデックス型?アクティブ型?バランス型?~

投資信託の運用方法には

・インデックス型

・アクティブ型

・バランス型

の3種類があります。

インデックス型とは?

市場平均と同じような動きを目指して運用する商品です。

市場平均とは、市場全体の動きを表す指数(=インデックス)のことです。

日本株の市場平均には、日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)などがあり、アメリカ株の市場平均には、ダウ平均指数、S&P500などがあります。

インデックス型の投資信託を買うだけで市場全体に分散投資が可能です。

メリット

・安定的なリターンが得られる。

・「信託報酬(手数料)」が比較的安い。

デメリット

・(アクティブ型と比べて)ハイリターンは見込めない。

・市場平均以上のリターンは見込めない。

アクティブ型とは?

運用のプロ(ファンドマネージャー)が独自に銘柄や投資手法を選択します。

市場平均(インデックス型)より優れた投資成績を目指します。

メリット

・(インデックス型と比べて)ハイリターンが見込める。

デメリット

・「信託報酬(手数料)」が比較的高い

インデックス型よりも良い運用成績を出すという期待から手数料も割高になっています。

バランス型とは?

複数の金融商品に投資する投資信託。

インデックス型は特定の商品(株式や債券など)に投資していますが、バランス型は値動きの異なる金融商品を組み合わせて投資しています。

国内外の株式、債券、不動産(REIT)など複数の投資対象に分散することで、金融商品や国を分散することができます。

メリット

・手軽に幅広く分散投資ができる。

・運用のプロがリバランスしてくれる。

(参考)リバランスとは…?

運用していく上で資産配分が変わった際に、元の資産配分に戻すこと。

リバランスをしなかった場合、配分が高くなった資産の影響を受けやすくなり、分散投資していても、配分の高い資産のマイナス局面でのリスクが大きくなります。

リバランスすることで、最適な資産配分を保つことができます。

例えば…

【国内株式:国内債券:海外株式:海外債券=25%:25%:25%:25%のバランス型投資信託】

株式が上昇して、国内株式:国内債券:海外株式:海外債券=30%:20%:35%:15%の割合になってしまった場合、

元のバランスに戻すために株式を売買して、元の国内株式:国内債券:海外株式:海外債券=25%:25%:25%:25%の割合に戻します。

デメリット

・「信託報酬(手数料)」が比較的高い

リバランスをしてくれる分、インデックス型よりも手数料がかかってしまいます。


インデックス型か?アクティブ型か?バランス型か?

投資信託にも色々な種類があることがわかりましたが、どれを選べば良いのでしょうか?

高いリターンを狙えるからアクティブ型が良いのでは?と思う方も多いでしょう。

しかし、手数料を差し引いたアクティブ型投資信託の運用実績は、インデックス型より劣るという統計が多く報告されています。

つまり、アクティブ型は、コストがかかる割りに、それ以上の運用実績を上げられていない商品がほとんどです。

バランス型は、インデックス型に比べ、より幅広い金融商品や国に分散して投資するので、リスク分散はできますが、高いリターンは見込めません。

その割に、手数料が高いので、利益を得にくいです。

ずばり!インデックス型を選びましょう。

(6)おすすめの投資信託運用法 

おすすめの投資信託運用法は…

「手数料の安いインデックス型投資信託を毎月積立」です。

一括購入ではなく、毎月積立がおすすめの理由は、2つ。

一つ目は、まとまった資金がなくても少額からスタートできるから。

二つ目は、時間の分散をしながら積立することで、価格が上昇したときには少なく、価格が下がったときには多く購入できるため、平均購入価格が下がり、損しにくくなるからです。

毎月一定額を自動で積立できるサービスが各銀行・証券会社に用意されているので、利用しましょう。


日々の業務だけでなく、日頃から知識のアップデートが必要な薬剤師さんは、投資にかける時間を作ることが難しいですよね。

“手間のかからない方法で長期的に資産運用を続ける”ことが資産を作っていく上で大切だと思います。

まずは、行動してみることが、大切です。少額から始めてみましょう!

これをきっかけにお金や投資についての知識を深めて、将来のお金の不安が少しでも減りますように…

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