2022.2.3
将来の備え

資産運用3つのパターン 薬剤師が取り組むべきは?

将来のために、なにか資産運用でもしようかなというしっかり者のあなた。少しお金が貯まったから、株でも買ってガッツリ稼ぎたいというガッツのある投資家予備軍。資産運用にはさまざまな方法があり、迷ってしまう人が多いのではないでしょうか。株式投資、仮想通貨、FX、不動産投資、投資信託、広い意味では生命保険も資産運用のひとつと考えられます。忙しい薬剤師はどれを選ぶべきか?一緒に考えてみましょう。

一度に買うと一発当たれば大きいがストレスも大きい

資産運用というと株式投資やFX(外国為替証拠金取引)、仮想通貨などを思い浮かべる人は多いでしょう。一度に高額の投資をして大損したという人の話を聞くと、腰が引けてしまうかもしれません。

たしかに大きな金額を運用しているときのストレスは計り知れません。株価が気になって仕事が手につかないということもあるでしょう。

2016年に、ある国家公務員が懲戒免職を受けたことがニュースになりました。原因は勤務時間中の株式やFXの取引です。4年間で約3,700回以上、トイレや倉庫などで取引していました。

この人はたまたま投資好きだったのかもしれませんが、投資には真面目に働く人をうわの空にしてしまうほどの力があるのも事実です。

人の命を預かる薬剤師が、勤務中に株式取引のことを考えていた……ということになると、大事故を起こすことにもなりかねません。

株式投資や仮想通貨、FXなどは投資の仕方によっては損益が激しく動く、高リスクな金融商品です。予想が当たれば大きく儲けることもありますが、その逆もまたしかり。どちらの可能性もあるので、精神的ストレスが大きいのです。投資に馴染みのないうちは、なくなってもよいと思える程度の資金で始めるのがよいでしょう。そうすれば仕事が手につかないということはあまりないはずです。

積立投資は精神的負担が少なく、税制上のメリットがあることも

「お金をなるべくたくさん増やしたい!」という人は、上記のように少しだけ投資してもつまらないと思うかもしれません。比較的大きな金額を少ないストレスで運用する方法として、積立投資が挙げられます。毎月一定額の金融商品を買っていくこの方法は、一度設定すればあとは放っておくのが一般的です。買おうか売ろうかと考えることがほとんどないので、先ほど述べたようなストレスを抱えにくいといえます。

積立投資には税制上の優遇が多いという特徴もあります。特にiDeco(個人型確定拠出年金)は所得税と住民税を少なくする効果があります。運用した利益にも税金がかかりません。

積立型の生命保険もある意味では資産運用といえます。満期になると、一定の利率で払い戻されるため、運用しているのと同じ効果があるからです。また、生命保険料控除が適用されるため、iDecoと同様に税金を減らせます。

忙しく投資する銘柄を考える時間も精神的余裕もない薬剤師や、ただ運用する以上に金銭的な得をしたいという人にとって、積立投資はメリットが大きいといえます。

先に投資して後で支払う方法もある

金融商品を一度に買う方法と、少しずつ買って行く方法を紹介しました。これ意外にも買い方はあります。それは「まず買って、少しずつ支払っていく方法」です。これができるのは不動産投資です。

どういうことかというと、まずローンを組んでワンルームマンションなどの不動産を買い、人に貸して家賃を受け取ります。その家賃収入の中の一部を、ローンの返済にまわすのです。完済後は返済負担がなく、家賃収入の大部分が自分のものになります。

物件の管理は管理会社に任せれば、ほとんど手間はかかりません。売ろうか買おうか判断することもあまりないので、株式投資やFXのようなストレスも少ないといえます。

マンションの価格が大きく上がれば、そこで売却して利益を得ることもできます。東京のように不動産価格が高いところでは、数百万単位の収入になることもあります。

不動産投資には管理費などの経費がかかりますが、収入以上にかかってしまった場合にはその金額に応じて給与収入に対してかかっている所得税と住民税を減らすことができます。

大きな利益を得る可能性や節税効果、ストレスの少なさなど、メリットの多い方法が不動産投資なのです。

どれを選ぶかは自分の考え方次第

株式投資やFXなどの一発当たると大きい投資、iDecoや積立型の生命保険など、ストレスが少なく税制メリットも活かせる運用、それらのメリットを両方とも得られる可能性のある不動産投資など、さまざまな運用方法があります。あなたが資産運用を始めようと思ったきっかけは何でしょうか。自分の考え方に合ったものを選んでください。

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